時の日【蘭拓?拓蘭?】
あてんしょん
- 本気で書いてた→気力なくなってギャグに
- 時間が止まっちゃう系
- つまりファンタジー
- セリフ多め
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ある日突然、俺の周りのすべてのものの時間が、止まった。
時計も、川の流れも、河川敷でサッカーをする少年たちも、蹴られているボールも、俺の横で並んで歩いていた神童も。
自分が望んだわけでもなく、時間を意識したわけでもない。
時間が止まって1分が過ぎた。いや、時間が止まっているから、1分も1秒も進まないか。
…体は動かせるし、瞬きも出来てる…
(おい…神童、どうし…え…)
声が出ない。
口も動いているし、喉も開いている。
(あー、あー)
普通に声を出す感覚だし、風邪をひいてる訳でもない。
「あー、あー…あ」
「がきて…って、霧野?どうした?」
俺の声が出たのと同時に神童が喋り出した。
同時に、時計も、川の流れも、河川敷でサッカーをする少年たちも、蹴られているボールも、動き始めた。
「えっ?あ…いや、なんでも…」
「そうか…?」
体感時間にして約3分。
神童には時間が止まったという感覚が無いみたいで、気にせず喋り出そうとするが、俺がそれを遮るように神童に話しかけた。
「神童…実はさ…」
「ん?何だ、やはり何かあったのか…」
呆れたように神童が返す。
「はは…神童には敵わないな…」
「当たり前だ。何年間の前のそばにいたと思っている」
「…8年くらい…」
「正解だ。で、何なんだ?」
神童は俺の身に何があったのか知りたいようで、何があったのかを早く話すように促した。
「えっと…時間が止まったんだ…今さっき。」
「え…え?なんて?」
「時間が止まったの…ちょっとだけ…3分間間ぐらい…気付いた?」
戸惑う神童に、俺は先程俺の身に起こった出来事を話した。
「そうか…そういえば、」
神童は何かを思い出したように、言った。
「今日は『時の日』らしいな…それで時が止まったとか…?」
「え?あぁ…成る程…って、そんなんで納得できるか!!」
「ふふっ、霧野のそういう面白いところ、好きだよ」
「な、何だよいきなり…」
いきなり微笑んで告白だなんて…いつもしてる事なのに…なんだか顔が熱い…
「それより俺も今時間が止まったの、気付いた?」
「えっ!?いや、全然…」
「だろうな」
神童が笑って返す。
また顔が熱くなっていく…
「俺も…神童のそういう真面目なところ…大好きだぜ…」
自分なりに格好をつけて言ってみた。
辺りは静まり返っていた。
(え…まさか…)
そう。時間が止まっていた…
「なんだよそれええええええええええええええ!!!!!!!!!」
「えっ…き、霧野!?」
勇気を出しての告白は、無惨に終わった。
霧野…俺は、聞こえてるぞ…。
神童は、心の隅でそう思った。
~END~