くるみ割る人形の独り言部屋

最近デザイン変えました

蘭マサ拓のつもり…拓蘭マサじゃないよ…じゃない…じゃ…な…い…6 ~last storry~

 

*

 

「狩屋~、早く上がれよ~」

「は…はい…」

狩屋が照れている。

部屋の近くの風呂に入ろうとして、俺が服を脱ぐと、狩屋は茫然としていて、神童が真っ裸で声をかけると、狩屋は驚き切って、俺は狩屋の服を無理やり脱がしてやった。

風呂に入り、背中の流しあいに狩屋が恥ずかしがって、神童と一緒に無理矢理体を洗ってやった。

いろいろと狩屋が恥ずかしがったり、風呂の広さに驚いたりして風呂で遊んだ。

神童は、こんなに風呂ではしゃぐのは初めてだ、と言い、一緒に風呂で遊んだ。

 

風呂からあがると、部屋の冷蔵庫に3人分に分けられたケーキが入っていた。

「ここまでしてもらうと、なんだかシェフに申し訳ないな…」

そう言って取り出したケーキは冷え切っていて、風呂からあがって熱くなった俺たちの体内にピッタリの物だった。

「これ、霧野センパイが作ったんですか?」

「いや、シェフに頼んだ。」

「お前は本当にシェフと仲がいいんだな…」

「まぁ、な…」

神童の事で意気投合したから、なんて、当然本人の前で言えるわけもなく、喉の奥に呑み込んだ。

なんだか神童に隠し事をするのは性に合わなかったのか、「それよりこれ、早く食べよーぜ!」なんて言って、無理に話題を変えた。

 

「ん…霧野…これ、なんか入れただろ…」

「あ、気付いた?ふふっ…神童…顔真っ赤だ…」

「セン…パイ…?」

「あぁ、これはリキュールを入れたんだ」

「リキュール…?はっ…どうりで…頭がクラクラする…」

アルコールに弱い神童は、顔を真っ赤にして体の不調を訴えていた。

「神童先輩…なんか…エロい…」

神童の色気に見入ったのか、リキュールのアルコールが効いているのか、狩屋は顔を真っ赤にして神童から視線を逸らした。

「狩屋も神童も、顔色悪いぞ?」

「…っていうか…センパイがアルコールに強いんすよ…」

「ん~…そうか?」

「そうですよ…」

狩屋の顔は赤なのか青なのかよくわからない色に染まり、ぐったりとソファの背に寄り掛かった。

唯一元気な俺は、ベッドに向かう神童を手助けしていた。

「ん…霧野、すまない」

「ん、いいよ」

この中で唯一元気だと言っても、特別アルコールに強いという訳でもない。

狩屋をベットに運ぶと、酔いが回ったのか頭がふらふらしてきた。

狩屋はすでに寝ていて、神童はその顔を見ながら俺が来るのを待っていてくれたようだ。

 「…結局、狩屋はどちらか選べなかったな」

「そうだな…忘れていたのか…、」

「それとも言うのが恥ずかしかったのか…、」

神童も同じことを考えていたようで、ベットの上で声を合わせた。

「ふふ…、俺は、霧野の方が好きだぞ」

「しんど…」

神童の蕩けるような笑みに破顔し、言葉を詰まらせた。

「神童が言ってくれたんだから、俺も言わなくちゃだよな。」

詰まった言葉を、狩屋に聞こえないくらいの小声で

「俺も…神童の方が大好きだよ…」

そう言うと神童は、照れ隠しなのか、俺の唇にキスをした。

そして、狩屋を挟んで2人は眠りについた。

 

 

 

 

 

~END~